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デンマークの哲学者セーレン・キェルケゴール(1813-55)は「神に仕えるスパイ」として生きる任務を神から与えられていると信じ、生きようとしました。自分の著作で人々をおびきよせて、そのまま神のところに送り届けること。『死に至る病』などの著作はそうして世に送り出されました。
しかしそんな彼についていく人はほとんどいません。うまくいかなくて次第に視野狭窄になり、感情的にもなって、どんどん社会とのギャップは広がっていきました。そして42歳という短い人生を失意のなかで終えたのでした。
彼は幸せだったのでしょうか。
『キェルケゴール-生の苦悩に向き合う哲学』ちくま新書、2024年
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