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実存の居場所を探してキェルケゴールは、本当はごくふつうに生きたかったみたいです。好きな人と結婚をして家庭を築いてというふうに。ですが彼はきわめて特殊な生い立ちを背負わされていて、自分にはそれができないことをいつしか悟るのでした。彼の居場所は神の目の前、この世においてすらそこにしかなかった。それは私にはあまりにも冷酷に思えるとともに、ある意味ではどこか憧れたくもなるのです。
セーレン・キェルケゴール『キェルケゴールの日記-哲学と信仰のあいだ』講談社、2016年
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