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​キェルケゴールは「キリスト者になること」をテーマに思索を重ねましたが、大言壮語を吐いたり抽象的になりすぎてしまうことを厭い、等身大の自分のまま、地に足をつけて考える誠実さをずっと大切にしていました。

そんな彼の「魂」をひきついだのは、じつはハイデガーとかサルトルではなく、ウィトゲンシュタインでした。あるがままの日常の言語を誠実に見つめる『哲学探究』の視点は、彼がそんなふうにしてキェルケゴールと向き合い、自分の「実存の居場所」を探り当てたことでもたらされたのでした。

​『<実存哲学>の系譜-キェルケゴールをつなぐ者たち』講談社選書メチエ、2022年

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